作成日:2020/06/27 by AM   

 パーティの出席者リストを見るのは楽しみだ。
あいつ、いまなにをしているのだろう。幸せにやっているかしら、とか。 欠席なら、体の具合は大丈夫だといいがな、とか。悲喜こもごもの予測をまじえながら、ひととき想いをふくらませる。
 2019年10月29日、東武ホテルでの「米寿パーティ」もそうだったのだ。いや、違った。
リストの中に「K・S」の名前をみつけたとき、衝撃が走った。なにしろ高校を出て70年、音信不通だった友である。
どうしていた?元気にやっていた?月並みな質問しか、とっさには思い浮かばない。ほんとうは、もっと深い人生をいきてきたんだ、 と思う。70年という年輪の重みは、きりっと自分を刺す痛みに変わった。
 当日、開始30分前に彼はやってきた。まさに《朋あり遠方より来たる。また楽しからずや》である。
 遠方とは距離だけではあるまい。苦労人の孔子サマのことだ。年代的積み重ねも含め、「遠方」に厚味を加えたに違いない。
逢った瞬間「ちっとも変わっていない」と感じた。昔ながらの温容そのものの紳士だった。「楽し」には重層的な意味を持つ。 深く広い孔子の思考と思いたい。がっちり握手した。年齢を感じさせない握力に、彼のこれまで生きてきた強い生命力が伝わってきた。
 80歳を過ぎると、友を喪う哀切さは、耐えられないほど深い。それだけに、K・S君の出現は、明るい奇跡の感すらあった。
 次回はおそらく2年後の「卒寿パーティ」になるだろう。「遠来の友」が一人でも増えることを願いつつ、雨まじりの会場を後にした。

【追 記】

1.忘年会について

 昨年は忘年会を行いませんでしたが、今年は2年振りに、12月14日(月)午後1時より行う予定です。
詳細は、これまで通り10月末頃にハガキで連絡します。
予定に入れておいて下さい。

2.訃 報

 大変残念なことですが、昨年1月以降、9名の仲間がお亡くなりになられました。
9名は、阿保忠、荒井智之、板橋敬吉、清水晃、鈴木喬、西村清夫、西村忠雄、峯山功、山口和夫の諸君です。
 心からご冥福をお祈り申し上げます。

田口 雅雄(48回)       
小泉 一郎(48回) 記      
(淡交会報第84号より 転載)    

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