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日々、直下型の巨大地震がいつ起こってもおかしくない時間が過ぎています。
平成24年の両国祭で、「エネルギーの自産自消」を展示し、その中で、被災想定自治体による
避難先の確保の必要性を提言して以来、同じ内容の提言としては、今回で5回目になります。
「震災には、自助・共助・公助」の掛け声は、認知度も高くなって来たと思いますが、いわば、
公助-Uとも言うべき、我々の住んでいる自治体の体制整備と対応策推進を改めて提言したいと思います。
東京都の想定によれば、東京湾北部地震(冬の平日午後6時、風速8m/秒、M7.3、震度6強)により、
都内の避難者の総数は、総夜間人口1,313万人に対し、339万人に上ります。旧学区の4区(墨田、江東、葛飾、
江戸川)では、人口192万人中90万人の避難者の発生が、想定されています。
この桁外れの多さを考えると、相当数の避難者が、従来の生活圏を離れ、どこか他の地域で
生活しなければならなくなると考えざるを得ません。
又、この問題に対応する為には、公助-Uともいうべき、自治体による中・長期的な生活環境などの
確保・整備がなされる事が必要になります。
その為には、事前に事態を想定した、行動を伴う具体的・実践的な体制整備と対応策の策定が必要です。
現在、都内各自治体では、ほとんどが防災課、防災センターなどが担当組織として対応していますが、
より大きな施策に付いては、責任と権限、人員などを備えた組織が必要だと考え、それらを整備するという
更なる推進努力を期待したいと思います。
各自治体は、一定の距離をおいた自治体とも被災者の受け入れを明記した相互援助協定の締結を進めています。
今年の両国祭の展示では、来場者の住所の多様化に鑑み、北、足立、荒川、文京、千代田、台東、中央、
港の8区を追加し、それぞれの援助協定の相手先自治体所在地を日本全図上に表示、更に、
その基礎資料を配布しましたが、この報告では、紙面の都合上、資料の内、当初の4区について、
協定締結先自治体名とデーターの一部のみを記載します。
先ずは我々一人ひとりが、事の重要さ、緊急さを認識し、更に、公助が強化・充実されるよう
行政との連帯感を高め、推進する事が肝要だと考えます。
各区が被害者受け入れ相互援助協定を結んでいる自治体
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1.墨田区(総人口:264,500人、避難者数:144,900人 |
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@ 栃木県鹿沼市
A 長野県小布施市
B 山形県鶴岡市
C 山形県高畠町
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2.江東区(総人口:504,500人、避難者数:233,800人) |
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@ 栃木県大田原市
A 埼玉県秩父市
B 静岡県沼津市
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3.江戸川区(総人口:690,800人、避難者数:318,500人) |
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@ 千葉県市川市
A 茨城県城里町
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4.葛飾区(総人口:455,800人、避難者数:201,000人) |
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@ 茨城県稲敷市
A 埼玉県三郷市
B 福島県湯川町
C 福島県蔵王町
D 埼玉県八潮市
E 千葉県松戸市
F 千葉県市川市
G 宮城県石巻市
H 岐阜県飛騨市
I 新潟県十日町市
J 福島県塙市
K 栃木県小山市
L 茨城県土浦市
M 栃木県日光市
N 福島県二本松市
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環境委員 磯貝 三男(56回)
(淡交会報第77号より転載)
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