金 田 校 長 - 御 寄 稿
         【 淡交会 会報89号より 】       最終更新日: 2022/12/18   
校長 金田 裕治
 学習指導要領が改訂され、
令和三年度より中学校は、新
教育過程が始まっています。
 高等学校では、一年後の今
年度(令和四年度)の四月か
ら学年進行で新教育課程にか
わっていきます。今年度は、
新しい教育課程が始まっただ
けでなく、令和二年度当初か
らの新型コロナウィルス感染
症拡大で実施が難しかった体
育祭・両国祭等の学校行事や
移動教室・修学旅行等の宿泊
行事を含む教育活動を充実さ
せることを目指しました。
◆安全な宿泊行事の再開
 東京都教育委員会から宿泊
行事のガイドラインが示され
たことにより、四月より宿泊
行事を再開することができま
した。ガイドラインの主な感
染対策は、出発前と終了後に
PCR検査を実施するととも
に、確実な移動方法や食事方
法など、安心・安全に実施で
きるように示されています。
 これらのガイドラインを基
に、四月に計画した付属中学
校三年生や高校三年生の宿泊
行事から再開することができ
ました。また、高校の部活動
においては、夏合宿も同様に
再開することができました。
夏合宿を計画・実施した部活
動については、合宿後の活動
に変化が見られ、技術向上だ
けでなく部員が心ひとつに練
習にとりくんでいる様子を感
じられるようになりました。
宿泊行事の再開は、充実した
学校生活の源になるとともに、
連帯感や達成感が高まること
となりました。
◆復活した両中ソーラン
 昨年度の体育祭は、学年別
の体育的行事として実施しま
したが、感染状況が厳しい中
でも昨年度より内容が充実し
た体育祭となるよう、午前中
は付属中学校、午後は高校に
分けて実施することで、学年
を超えた団体競技が実施でき
るようにしました。
 付属中学校の体育祭では、
一年生と二年生が合同で演じ
る両中ソーラン(ソーラン節)
を復活させ、一年生と二年生
が心をひとつに演じた両中ソー
ランは、迫力と笑顔が印象的
でした。
 午後の高校体育祭は競技だ
けでなく、エール交換や応援
合戦など団体競技の醍醐味を
味わうことができました。午
前中の付属中学校体育祭より
もスピードやパワーで勝り、
各競技の中でも順位が二転三
転と入れ替わる様子は、見て
いる生徒たちの応援にも力が
入り、競技が進むにつれ体育
祭が盛り上がっていくのが感
じられました。しかし、天候
が急変し一部の競技を残し終
了となったことは残念でなり
ませんが、来年度の体育祭に
さらなる期待が高まりました。
◆全校生徒による両国祭
 昨年度の両国祭は、両国生
が校舎内で密にならないよう
に分散登校で実施し、学校に
登校できない学年は、自宅か
ら両国祭に参加できるように
参加団体の作品をWebで閲
覧ができるようにしました。
両国祭が中止となった令和二
年度から、一歩前進した形で
の開催とはなりましたが、全
校生徒の参加する両国祭は、
舞台での演劇や演奏等は、録
画では味わうことのできない
臨場感があります。
 令和四年度の両国祭は残念
ながら校舎の規模から考え、
保護者や地域の方々に入場い
ただくことはできませんでし
たが、全校生徒による両国祭
を開催することができました。
文化祭(両国祭)は、生徒が
日ごろの学習や活動の成果を
総合的に発展させ、発表し合
い、互いに鑑賞する文化的行
事の一種(学習指導要領上の
特別活動)に位置付けられて
います。日本のように学校教
育の一環として全員参加型の
文化祭が開催されている例は
世界的に見て珍しいと言われ
ていますが、中高一貫教育校
の中学生と高校生が互いの作
品を鑑賞し合えたことは、こ
のコロナ禍の中で生徒一人一
人の心に残る学校行事になっ
たと思います。
◆困難を乗り越えて
 これまで実施してきた体育
祭や文化祭等、どの学校行事
もコロナ禍で失われた時を取
り戻すように充実した教育活
動になったことが印象的でし
た。保護者の皆様に体育祭や
両国祭の会場に入場いただけ
なかったことは残念ではあり
ますが、淡交会のご提案によ
り、体育祭や両国祭のライブ
配信を実現することができま
した。淡交会並びに卒業生の
皆様にご支援・ご協力をいた
だいたことに深くお礼を申し
上げます。
【 令和4年 5月 校長 御寄稿 】