【 淡交会 会報89号より 】          最終更新日: 2022/12/16   
              淡交会会長    大 澤 秀 利
66回)
 今、世の中は、三年余り続く新型コ
ロナ対策に多くの皆さんが頑張ってお
り、一日でも早い収束を願っています。
 淡交会もコロナの影響をいろいろと
受けましたが、死亡者や重症患者のコ
ントロールがもう少しできれば、普通
のインフルエンザと同じようになり、
日々の生活への制約もなくなると大い
に期待しています。
 そのような中、今年の二月にウクラ
イナがロシアにより侵略されました。
まだまだ収まる様子を見せない中、侵
略をしたロシアは、核兵器の使用も口
に出しています。
 それを聞き、高校時代に勉強をさぼっ
て見た映画「猿の惑星」を思い出しま
した。
 中身を知らない方が多いと思うので、
簡単にあらすじを話すと、一隻のアメ
リカの宇宙船が七百年後の地球への帰
還を目指し飛び立ったが、トラブルで、
ある惑星に不時着し、そこに見たのは、
サルが人間を支配する国で、乗組員が
サルの捕虜となり、何とか脱出し、サ
ルが踏み入ることを禁じられた地帯の
先にたどり着き、そこに見たのが、砂
に埋まったニューヨークの「自由の女
神」という話です。
その当時の米ソ冷戦時代を皮肉った、
「人間」はどうしようもない生き物で、
一歩間違えば映画のようになると、警
告していると思います。
 映画「猿の惑星」の様にならないよ
う、たった一人の指導者が、未来を無
くすようなスイッチを押させることの
ないように、今こそ世界の英知を集め、
地球を滅亡させないために、世界の人々
が力を合わせ、希望あふれる次の時代
に繋げて行かなければと、改めて感じ
ています。
 一方、目を我が淡交会に向けてみる
と、今年から高校入試がなくなり、中
学の入学試験だけになりました。
 他の都立高校の多くで卒業生が三百
人を超える中、二〇二四年には、両国
高校は一時的に百二十人、その後は百
六十人と約半分の卒業生となってしま
います。
 淡交会にとっても大きく時代が変わ
る時を迎えることとなります。
喫緊の課題として、少なくなる卒業生
でも維持運営できる淡交会に変革して
いく必要があります。
 その為、皆さんのご了解を頂き組織
財務の健全化を目指す委員会を立ち上
げ、二〇二四年までに方向性を皆様に
お諮りしたいと考えています。
 何よりも、多くの卒業生の皆様に共
感していただける同窓会にすべく、こ
れまでも資料室委員会や環境委員会な
どが、卒業生同士、在校生に、先生方
に、そして学校後援会の皆様にも参加
していただけるような交流の場を作っ
て行くための検討も始めています。
 両国高校は二〇二一年に創立百に十
年を迎えましたが、同窓会である淡交
会も、初代校長八田三喜先生により明
治三十八年(一九〇五年)に設立され
てから、二〇二五年には設立百に十年
を迎えます。
 引き続き多くの卒業生の皆様の温か
いご支援を頂き、次の時代も逞しく活
躍できる同窓会にするべくご協力の程、
宜しくお願いいたします。