【 淡交会 会報86号より転載 】          最終更新日: 2021/05/27   
自然災害、新型コロナ、そして卒業生
          淡交会会長  大 澤 秀 利 
66回)
 今年の三月十一日で、東日本大震災 から十年を迎えました。福島原子力発 電所事故が象徴するように、震災復興 の終わりはまだまだ見えてこない状況 です。  また、その間にも、西日本豪雨の様
に日本各地での豪雨や台風による多く
の死者を出した甚大な被害。また、二
〇一六年の熊本地震などの各地での大
きな地震被害。地球温暖化の影響など
で、いろいろな災害がこれまで経験し
たことのない大きな被害をもたらして
います。
 我が淡交会には環境委員会がありま
すが、環境を守り、地球というノアの
箱舟が沈むことなく共存共栄させてい
く必要性を改めて痛感しています。
 また、この一年は新型コロナにも振
り回された一年でした。
 人類は、大正時代のスペイン風邪を
はじめ、世界で何百万人といった死者
を出したエイズなど多くの感染症を、
ワクチンの開発や抗生物質の発見によ
り抑えてきました。
 新型コロナもやっとワクチン接種が
始まりました。遠からず以前の生活に
戻れるものと期待しています。
 鳥の世界でも、大変なことが起きて
います。鳥インフルエンザの世界的拡
大です。日本では二月現在、約一千万
羽のニワトリが殺処分されています。
鳥には国境かおりませんので、蝙蝠の
ウイルスの変異が新型コロナを起こし
たと言われているように、高病原性鳥
インフルエンザも人間に感染し、流行
が起きないことを願うばかりです。
 この様な厳しい状況下ですが、今回
の会報で医療について特集し、紹介さ
せていただいていますが、ご紹介した
以外にも多くの卒業生の医療関係者が
新型コロナに立ち向かって頂いていま
す。感謝の気持ちでいっぱいです。
 また、私か関係しているロータリー
クラブでも、素晴らしい活躍をされて
いる卒業生の皆さまがおられます。
 東日本大震災では多くの尊い命か奪
われ、親御さんがなくなり、学業に差
しさわりが生じた方が多数生まれてし
まいました。その皆さんの学業を助け
るため、大学などに入れるよう、約十
億円の資金を集め、給付型奨学金を創
出した発起人の中心メンバーの一人が
五十三回卒業生であり、今も募金活動
を積極的に推進している多くの卒業生
がいます。
 母校は今年、創立百二十年の記念す
べき年です。前述したような方は、百
二十年の伝統を誇る我が両国高校の卒
業生には、まだまだ多くおいでになる
と思います。そのご活躍されているお
姿は、卒業生はもとより、在校生の皆
さまにもお知らせし、後輩の皆さんの
将来の進路の一助にさせて頂くことが
淡交会の未来にとっても肝要と考えて
います。
 是非「我ここにあり」と言う皆さま
の声をお届けいただければと思います。
両国高校も、中高一貫校になり、高校
入試がなくなり、卒業生も大幅に減少
する変革の時代を迎えています。
 この変革の時代を卒業生皆さまのご
協力を賜り、これからも在校生にこの
淡交会を繋げればと節に願っています。
多くの皆さまの絶大なるご支援をお願
いいたします。