さて、メイン曲はベートーヴェン交響曲第5番の「運命」です。
クラシックを代表する曲ですので、団員も何回も演奏していますし、淡交フィルでも定期的に演奏会を開催することになった
1980年以降でも5回目の演奏となります。
ただ、演奏は指揮者の解釈や演奏者のその時の技量などで大きく変わります。
私どもが指揮法でも著名な保科先生のダイナミックな指揮棒についていけたかどうかはわかりませんが、それでも聴衆の皆様には
70年続けてきた淡交フィルの歴史の重みのようなものを感じていただけたのではないかと思う次第です。
アンコールは、保科先生が2001年に永らく勤められた大学を定年退官されるにあたって作曲されたという「懐想譜」です。
「人生も終わりに近い老人が、庭のベンチでコーヒーを味わいながら、過ぎ去った日々を懐かしんでいる」という
情景から始まる曲目ですが、静かな中にも心情の起伏もあり、聴く人にも何か自分の人生を懐想するような気持を
抱いていただけたのではないかと思います。
そして、最後は言わずもがなの校歌です。
今回は、特に両高関係者の比率が高かったと思われますので、会場からの歌声もとても大きく美しくホールに響きわたりました。
その後のカーテンコールでは、保科先生のみならず、早川先生には新田先生から、また桑村さんにはトランペットの後輩奏者から
花束が授与され、会場からの惜しみない拍手に包まれつつ、淡交フィル創立70周年記念演奏会の幕が閉じられました。
その後、演奏会場近くのレストランで開かれた記念レセプションには、お疲れのところ、早川先生、保科先生、植草ひろみさん、
早川りさこさん、それに新田先生をはじめ、淡交会や後援する会の多くの皆様にもご出席をいただき、楽しく過ごすことができました。
淡交会からは常任理事の小出一成様(60回)からお祝いと激励のお言葉をいただきました。
保科、早川両先生からは、創立70周年という機会に出席できたことの喜びと、創設時のご苦労はご謙遜されつつも、その後70年もの間、
オーケストラを継続してきた歴代の団員の努力について、大きく讃えていただきました。
現役の中堅団員はもちろん、中高生を含む若手の団員も、今後の淡交フィルの歴史をしっかりと刻んでいくべく、
決意を新たにいたした次第です。
さて、次回の第64回定期演奏会は、江戸川区総合文化センターで、2020年2月16日(日)14時より、新田ユリ先生の指揮により
開催いたします。
プログラムは、ブラームスの悲劇的序曲、ドヴォルジャークの交響詩「水の精」、同じくドヴォルジャークの交響曲第6番の3曲です。
今回の演奏曲目は淡交フィルのことを知り尽くされている新田先生からご推薦のあったものから選んでおり、私どもとしては、
かなり背伸びをしなければなりませんが、互いに影響しあった二人の作曲家による1880年代の序曲、交響詩、交響曲という
とてもバランスの取れた良いプラグラムと感じています。
実は、次々回の第65回定期演奏会(2020年7月26日(日) ティアラこうとう)も、新田先生に振っていただけることになっていますので、
2021年7月の両国高等学校創立120周年での記念演奏も視野に入れつつ、2020年は、しっかりオーケストラとしての研鑽を積んで
参りたいと思います。
是非、淡交会の皆様には引き続きのご支援ご鞭撻をお願い申し上げます。