作成日:2020/05/19 by AM   

 淡交フィルハーモニー管弦楽団 第64回定期演奏会は、2020年2月16日(日) 14時より、江戸川区総合文化センター大ホールにて、 新田ユリ先生(77回)の指揮の下、淡交フィル総勢約70名で開催されました。
 当日は、小雨の降る寒い中でしたが、450名ほどのお客様にご来場をいただき、誠にありがとうございました。
さて、今回は淡交フィル出身で私どもの誇る新田ユリ先生に 2年半ぶりに指揮をお願いすることができました。
曲目選定に当たって、先生から2020年は日本・チェコ交流100周年であるとお聞きしたことから、先生からのご推薦もあり、 ドヴォジャークを中心に取り上げ、チェコ大使館からもご後援をいただきました。
 誠にありがとうございます。  

 恒例のロビーコンサートで皆様をお迎えし、耳を傾けていただいたのち、いよいよ演奏会の開演です。

☆ ☆ 開演前の混雑するホワイエ ☆ ☆

≪ 混雑するホワイエ ≫
☆ ☆ ロビーコンサートのメニュー ☆ ☆

≪ ロビーコンサートメニュー ≫
☆ ☆ ロ ビ ー コ ン サ ー ト ☆ ☆

≪ ☆ ロビーコンサート ☆ ≫

 さて、今回はチェコ特集ということもあり、冒頭にスメタナのファンファーレを高らかに響かせました。
プログラムにはない演奏だったので驚かれた方も多かったと思いますが、新田先生からもアナウンスされましたように、 チェコで毎年5月12日(スメタナの命日)から開催されるプラハの春音楽祭で、大統領のご臨席の際に演奏されるもので、 なかなか普段は聴くことのできない曲ですので、初めての方は幸運だったのではないかと思います。

☆ ☆ スメタナのファンファーレ演奏 ☆ ☆

≪ 冒頭のファンファーレ演奏 ≫

 プログラム最初の曲は、ドイツのブラームスの「悲劇的序曲」ですが、ブラームスはドヴォジャークの8歳年上で、 ドヴォジャークを世に出した人であることから、このチェコ・プログラムに加えました。
同年に作曲された大学祝典序曲とは明暗を成す1曲ですが、暗い中にも力強い旋律と美しい旋律が織り交ざっていて、 大変聴きごたえのある一曲となったのではないでしょうか。
 次は、ドヴォジャークの交響詩「ヴォドニーク」というあまり演奏されることのない曲で、「水の精」と訳されていることが 多いのですが、ベースとなっている詩は悲劇的なもので、「水の魔物」が娘をさらい、最後はその娘との間に生まれた男の子を 惨殺してしまうというような内容になっています。
ただ音楽としては物語に沿って、弦による水の情景、木管による母娘の語らい、金管と打楽器による嵐の情景など 息をつかせぬ展開を楽しんでいただけたものと思います。

☆ ☆ 第64回定期演奏会プログラム ☆ ☆

≪ 第64回プログラム ≫

 休憩後のメインはドヴォジャークの交響曲第6番です。たまたま冒頭の悲劇的序曲と同じ1880年に作曲された曲で、ブラームスの交響曲の影響(1877年にブラームスの交響曲第2番ニ長調が作曲されています)も受けていると言われています。曲調はニ長調で、その冒頭の明るさによって、この演奏会前半の呪縛からの解放感があったのではないかと思います。2楽章のアダージョのあと、3楽章にフリアントと言われるボヘミアの民族舞曲を挟み、終楽章は快適な速度の中で、様々な旋律やフレーズが渦巻き、高みに上って一気に駆け抜けいきます。50分という長い曲目ではありますが、新田先生の美しい指揮を見ていますと、その時間をあまり感じず、心地良い高揚感を味わっていただけたのではないかと思います。 アンコールは、チェコでドヴォジャークに作曲を師事したユリウス・フチークのフローレンティナー行進曲です。この曲はフチークがイタリアのフィレンツェに旅行をした際の印象を書いたもので、ブラスバンドをやっている方には大変ポピュラーな曲であり、観客の皆様にも軽快なマーチを楽しんでいただけたかと思います。そして、恒例の校歌ですが、慣れ親しんだ新田先生の明快な指揮に合せて、観客の皆様に高らかに歌い上げていただきました。

そして、恒例の校歌ですが、慣れ親しんだ新田先生の明快な指揮に合せて、観客の皆様に高らかに歌い上げていただきました。

☆ ☆ 演奏する楽団のみなさん(1) ☆ ☆

≪ 演奏する楽団(1) ≫
☆ ☆ 演奏する楽団のみなさん(2) ☆ ☆

≪ 演奏する楽団(2) ≫
☆ ☆ 新田ユリ先生に花束贈呈 ☆ ☆

≪ 新田先生に花束贈呈 ≫
☆ ☆ 校歌斉唱を指揮する新田ユリ先生 ☆ ☆

≪ 校歌斉唱を指揮する新田先生 ≫

 演奏会後のレセプションは、ご来賓を代表して淡交会事務局長の若菜 一仁様(66回)から、これほど感動したことはなかった とのお褒めの言葉をいただき、チェロの柴田槇雄さん(63回)の乾杯により、楽しく始まりました。
新田先生からは、いつもながらの本番に強い淡交フィルを讃えていただきつつも、出演者がなかなか集まらず 練習も必ずしも 思うようにいかない淡交フィルの現状を憂えるお言葉もあり、団員一同、身を引き締めてお聞きした次第です。
最後に、新田先生や合唱団とも相談をしてきた結果、来年7月17日(土)の両高創立120周年記念演奏会の曲目を ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」に決定したとのアナウンスで盛り上がったところで、レセプションもお開きとなりました。

 さて、次回第65回演奏会につきましては、今年の7月26日に、連続して新田ユリ先生の指揮により、ティアラこうとうで開催すべく、 張り切って3月に練習を開始しました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の状況により、その後は練習を開けずにおりましたが、 残念ながら4月下旬に中止の決断に至ることとなりました。
当団としましては、上述のとおり、来年7月に「第9」をご披露すべく、今年の7月は、そのホップとなる大切な演奏会と考えておりました。 特に、現役生が参加しやすいような曲目(ブラームスの大学祝典序曲他)も準備していましたので、大変残念ですが、 次の機会(来年2月頃を予定しています)でのステップに活かせていければと思っています。
 来年7月のジャンプに向けて、引き続き、当団では一人でも多くの団員の参加を期待しておりますが、第9では、 合唱団がオーケストラ以上に重要ですので、淡交混声合唱団へのご参加も、是非宜しく、ご検討いただければと思います。
改めまして、淡交会の皆様には、淡交フィルへの変わらないご支援をお願い申し上げますとともに、 皆様方のご健康を祈念いたしまして、今回の報告とさせていただきます。

淡交フィルハーモニー管弦楽団 団長 長谷川 英一(72回)