さて演奏会の開演です。
今回は交響曲2曲のプログラムで、メンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」とチャイコフスキー交響曲第2番「小ロシア」を演奏しました。
前者はメンデルスゾーンの交響曲の中でも最も有名な曲ですが、後者はチャイコフスキーの交響曲の中では比較的演奏されることが少なく、
当フィルでも初めて取り上げるものでした。
チャイコフスキーはここ最近取り上げることが多いのですが、この第2番をもってようやくチャイコフスキーの交響曲全6曲を20年ほどかけて
全て演奏したことになります。
メンデルスゾーンの「イタリア」ですが、冒頭からバイオリンの明るく楽しい旋律が鳴り響きますが、お客様にはわくわくするような高揚感を
持っていただけたのではないでしょうか。
哀愁ある2楽章と美しい舞曲風の3楽章を経て、怒涛の4楽章に入ります。楽譜が真っ黒に見えるような細かな音符が並び、
わずか6分程度の楽章ですが、民族舞曲の踏み鳴らすようなリズムと、うねるようなリズムが交互に展開され、聴衆側もオケと一体となって
イタリアを駆け抜けたような気分が味わえたのではないかと思います。
続くチャイコフスキーですが、比較的演奏されることが少ないとは申し上げましたが、やはりチャイコフスキーの交響曲だなと感じられた方が
多いかと思います。
冒頭はホルンのソロから始まりますが、ロシア民謡から取られた旋律ということで、イタリアから一気にロシアに連れて行かれます。
行進曲風の2楽章と、軽やかに弾むような3楽章の後に、壮大な響きの4楽章に入ります。序奏の後、ウクライナ民謡から取られた旋律が
バイオリンから全楽器に拡がっていき、最後はチャイコフスキーらしく全ての主題が混沌となって全楽器が繰り返し鳴り響きフィナーレとなります。
アンコールは、チャイコフスキーの白鳥の湖から「ナポリの踊り」を取り上げ、ウクライナからイタリアに戻って、ソロトランペット中心の小曲を
お楽しみいただきました。
そして恒例の校歌ですが、いつものシンバルに加えて、ドラの響きも入れて、観客の皆様に高らかに歌いあげていただきました。