作成日:2021/11/07 by AM   

 標記の記念演奏会は、2021年7月17日(土)14時半に、すみだトリフォニーホール大ホールにて、新田ユリ先生(77回)の指揮の下、 淡交フィル総勢 76名で開催されました。
新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言の中にも関わらず、500名程のお客様にご来場をいただくとともに、 ライブ配信でも、100名程の方にお聴きいただきました。
 さて、本記念演奏会ですが、昨年の春頃から、淡交会と淡交フィルとで企画を始め、1年以上の準備期間を経て、 何とか開催に漕ぎつけることができましたが、想像以上に険しい道のりでした。
淡交フィルは、通常年2回の演奏会を行っており、2020年1月の第64回定期演奏会後に、7月に第65回、そして、 今年の1月に第66回を開催してから、ホップ・ステップ・ジャンプとして、7月の記念演奏会に臨む予定でした。
それがコロナの影響で、昨年7月と今年の1月はキャンセルせざるを得ず、記念演奏会が1年半ぶりの演奏会となりました。
今年に入ってから、緊急事態宣言が3月に漸く明けて、4ヵ月あれば、ほぼいつもの演奏会のように曲作りができるはずでしたが、 再度、4月下旬に宣言が発せられてから、練習会場が閉鎖されたり、うまく抽選で確保できなかったりで、本当に厳しい練習状況となりました。
それでも、最後の数週間での限られた練習の中で、新田先生やトレーナーの先生による熱心なご指導で、何とか曲を仕上げることができました。
 一方、当初は、トリフォニーでの記念式典後に演奏会を開催するとして学校・淡交会・後援会と調整をさせていただいていましたが、 式典がコロナの状況でトリフォニーではできなくなり、お客様の安全を考えると、記念演奏会の開催も危ぶまれましたが、 淡交会のご英断で、演奏会の開催は決まることとなりました。
ただ、時間割やお客様のご招待などの在り方も急遽変更せざるを得ず、お客様には、やきもきさせることとなってしまいましたことを、 この場をお借りしてお詫び申し上げます。
そうこうして漸く当日を迎えました。

今回は記念演奏会に相応しいプログラムということで、ブラームス、早川正昭先生(49回)、保科洋先生(51回)、 ベートーヴェンという曲目を選定しました。
冒頭の大学祝典序曲は、多くの方に「我が行く道は、はるけき彼方・・」と学校生活を想起していただけるお馴染みの曲であり、 現役生も演奏経験のある曲であったため、文字通りの祝典曲として演奏しました。
静かな導入ですが、中間部では聞き覚えのある学生歌が挿入され、終結部ではそれらの学生歌が高らかに鳴り響いて壮麗に終わり、 お客様にも盛り上がっていただけました。

 続いて、私ども淡交フィルの創立メンバーであり、著名な作曲家でいらっしゃる、早川正昭先生(49回)と保科洋先生(51回)の 「牧歌」と「風紋」の演奏です。
新田先生から、曲目とハープの早川りさこさん(早川先生のご令嬢)とチェロの植草ひろみさん(創立メンバーのご令嬢)のご紹介などがあり、 まずは「牧歌」の演奏です。
早川先生が高校1年生の時に作曲されたフルートとピアノのための小曲ですが、2019年の淡交フィル創立70周年の際に、 チェロとハープとオーケストラのために編曲をいただいた大変美しく抒情的な曲目です。
昔を思い出しながら、うっとりと聴いていただけたのではないかと思います。
その後に、お二人のソロで「鳥の歌」のアンコールがありました。
とても感動的な演奏でしたが、パブロ・カザルスが、ニューヨークの国連本部で伝説的な演奏をしてからちょうど50年目に当たる年で、 お二人もそれを意識されていたのではないかと思います。
新田先生もご自身のホームページの中に『アンコールの「鳥の歌」も落涙でした。』と記されています。
 保科先生の「風紋」は1987年の全日本吹奏楽コンクール課題曲として作曲されたもので、 吹奏楽をやっていらっしゃる方なら誰でも知っている曲とのことですが、今回の管弦楽版では冒頭の弦楽器による風の音や、 後半の5人の打楽器奏者による華々しい盛り上がりなど、面白く聞いていただけたのではないかと思います。

☆ 新田先生の指揮で120周年記念演奏会が開催される ☆

≪ ☆ 新田先生の指揮で開始 ☆ ≫

☆ 演奏するハープの早川りさこさんとチェロの植草ひろみさん ☆

 演奏する  
ハープの早川りさこさんと
  チェロの植草ひろみさん  

☆ 在校生からゲスト奏者の早川りさこさんと植草ひろみさんに花束贈呈 ☆

≪ ☆ 在校生からゲスト奏者に花束贈呈 ☆ ≫

 後半は、ベートーヴェンの交響曲第7番です。
「のだめカンタービレ」というテレビドラマで有名になった曲と思っていましたが、もう15年も前のドラマだっとようで、 知らないという若い団員も多かったことに驚きました。その演奏は難しく、拙いところもあったかと思いますが、 一緒に120周年を祝おうという躍動感は感じていただけたのではないかと思います。

最後の校歌は、残念ながら声を出して歌っていただくことはできませんでしたが、心の中で、 いつも以上に晴れ晴れと歌っていただけたのではないでしょうか。

 以上のように、120周年記念演奏会は、コロナ禍の中ではありましたが、多くの方のご協力の下、 成功裡に開催することができたと思います。
改めて、皆様に感謝を申し上げる次第です。

☆ 在校生から新田先生に花束贈呈 ☆

≪ ☆ 在校生から新田先生に花束贈呈 ☆ ≫

 さて、次回の演奏会ですが、2回も流れてしまいました、第65回という定期演奏会となります。 タワーホール船堀で、2022年1月23日(日)14時より、新田ユリ先生の指揮により開催いたします。
プログラムは、モーツァルトのフィガロの結婚序曲、ブラームスのハンガリア舞曲1,3,10,14,6,5番、 そして、メインはシューマンの交響曲第3番「ライン」となります。
緊急事態宣言が9月末まで続いてしまいましたので、プログラムも練習もコンパクトにしつつも、親しみやすい曲目としましたので、 是非、またご来場をいただければと思います。入場制限などかけなくても良いような環境になることを祈っています。

 最後になりますが、1986年以来、一貫して淡交フィルの活動を物心両面から支えていただいている「淡交フィルを後援する会」 の会長を、2004年から17年間にも亘りお務めいただきました長谷川澄雄様(47回)には、今般、ご勇退をされることになりました。
常におっしゃられていましたのは、両高卒業生であるという誇りと一体感を持って、オーケストラ活動を実践していくようにとのことでした。
この場をお借りしまして、永年のご支援に対し、心よりの御礼を申し上げます。
なお、ご後任は、現時点では空席となっておりますが、もしも淡交会員の中で自他薦などございましたら、是非とも宜しくお願いいたします。
 私、長谷川英一(72回)も、団長を岡伸太郎(81回)と交代することになりました。
これまでの淡交会の皆様からのご厚情に感謝を申し上げますとともに、淡交フィルへの引き続きのご支援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

淡交フィルハーモニー管弦楽団 前団長 長谷川英一(72回)