作成日 : 2022/01/31 by AM   
 

 平成20年(2008年)から6年間にわたって淡交会事務局次長、事務局長であり、 55回生の同期会である「淡交五五会」の世話人代表でもあった外山三喜君が、去る6月6日夕刻亡くなりました。
 奥様から電話で連絡を受けた種村良平君によりますと、
 「外山君はいつもの散歩から帰った後、熱があるので、といって2階で休んでいた。
奥様が何度か様子を見に上がり、救急車の手配をしては、と勧めたが、本人がその必要はない と断ったこともあって、そのまま推移し、午後8時ごろ、夕食はどうかと奥様が 2階に呼びに上がった時には、既に意識がない状態だった。

≪ ☆☆ 故 外山 三喜さん ☆☆ ≫

☆ 故 外山 三喜さん ☆

すぐに救急隊に来てもらって、蘇生術を施しつつ病院に搬送したが、帰らぬ人となった」
とのことでした。
穏やかに始まったご一家の日常が、夕刻に至りありえないような急変に見舞われた悲劇に、 ご家族の思いはいかぽかりかと、想像を絶するものがあります。
 6月1日に淡交五五会のゴルフ会があり、好天のもとで、外山君はいつものように仲間と 元気にプレーを楽しみました。
帰りの電車では、淡交五五会の今後の予定などを話題にしながら、ワクチンによって、 コロナ感染のリスクは小さくなっていくであろうから、昨年から延期になっている 総会の開催に向けての準備に取り組んでいこう、と語り合ったのでした。
それからわずか5日後の急逝、あまりの衝撃に言葉がありません。
 思えば彼は、「ともがき」を大切にする人でした。
五五会という「ともがき」は2年に一度の総会に加えて、毎年折々に有志によるゴルフ会、 暑気払い、新春の七福神巡り、奥の細道を訪ねての旅行会等々、多様多彩な催しを続けていますが、 それら一つひとつの催しには、細かい計画づくり・手配から案内・決算に至るまで、 彼がまさに手作りで関わって進めていました。
五五会の「ともがき」は、こうした彼の営々とした貢献によって支えられてきました。
 外山君は、淡交五五会の古稀記念文集(01年刊行)に「淡交会と私」という一文を寄稿しています。
そこからは、府立三中から連綿として続く母校への愛と、その同窓会である淡交会に集う諸氏に対する 敬意が読み取れます。
これは彼がその文の中で述懐しているように、当時「淡交会は百周年記念事業に取り組んでいる 時期でしたが、事務局に所用で伺った時に、会報委員長として腕を振るっておられた 黒木完周先輩(43回)がおられて、55回生は年会費の納入状況が良く、 同期のまとまりもあるようなので、君(外山)に百周年記念事業の委員をお願いしたい、との依頼があり、 五五会世話人であった宇田川重雄、種村良平の両君に相談したところ賛同・激励を受けたので、 両国高校への恩返しになればと考えて、100周年記念事業委員を引き受けることになった」という。
「100周年事業は、各界で活躍している淡交会の会員諸氏の親身なご協力で、 記念講演会(2001年6月29日)、翌日の記念演奏会、記念祝賀会ともつつがなく終えることが出来た」が、 その時の会員諸氏との真剣で濃密な交流体験が、淡交会と諸氏への敬愛の念を醸成したのではないでしょうか。
 外山君は、その後事務局から望まれて事務局次長に委嘱されました。
3年後(2011年7月)に 同期生の郷道子さんが淡交会会長に迎えられ、外山君は、事務局長として会長を支え、 事務局運営を切り盛りする立場になりました。
折から、母校は創立110周年を迎え、中高一貫校という新制度のもとでの卒業生を輩出するに至りました。
淡交会は、ずいぶん前から財政は厳しかったのですが、これからは、卒業生が400名前後を数えた時代から、 新たに加わってくる卒業生は、200名を上回ることはない時代が始まったことを受けて、 財源を確保することの困難さは一段と厳しくなっていきますので、若い卒業回も含めて、 会費の納入率アップを図ることの大切さが増していきます。
そのためには、何より若い方々の淡交会との接点を増やし、関心を持ってもらうことが肝要となりますが、 外山君は若い方の間でも同期会が持たれ、母校の記憶が更新され続けることが大切との思いで、 彼らの同期会の開催を事務局として支援することに注力しました。
 そうした情勢の中で郷会長は、若い方の関心を淡交会に向けるためには、ホームページのリニューアルは 喫緊の課題と考え、羽鳥雙六君を事務局次長に迎えて、WEB委員会を作りました。
若いメンバー各位の絶大な協力を得て、現在のホームページの原型ができ、若い世代のホームページへの アクセスが増加しました。
いろいろな年代の会員が、インターネットによってつながっている同窓会の実現を目指すという郷会長の方針と 期待に沿って奮闘した事務局を 外山君は統括し支えました。
現在、淡交会の執行部は、120周年を記念してシステムのリノベーションに取り組んでおられますが、 情報通信技術は日進月歩であり、淡交会の持続的発展のための取り組みとしてまさに時宜を得ていると、 彼は天国から見守っていることでしょう。
 外山君を偲ぶ会を淡交五五会の有志で8月20日に開く予定でしたが、コロナ禍で中止のやむなきに至りました。
淡交会と淡交五五会を愛し、エネルギーを注ぎ続けてくれた外山君、いつかコロナが収まった時に君を偲ぶ会を開き、 参加者一同で、君が愛してやまない両国高校の校歌を天国に届けとばかりに熱唱したい、と思っています。(合掌)

小林 喜一郎(55回)      
(淡交会報 第87号より 転載)    

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