(スマホ)  作成日:2022/02/11 by AM   
  

先ずは、東日本大震災とそれに続く東電福島第一原発の事故に被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。
 環境委員会としての今年の両国祭参加の共通テーマは、「環境とエネルギーを考える」。
私個人としては、環境・エネルギー(今回は電力に限定)・大震災という三題話を、 被災後の対応策に導くべく組み立てたものにしようと考えましたが、中々の難問となりました。
結局、地産地消をもじって、文頭の表現に致しました。
 直面する防災策という点では、首都直下型地震を始め、近い将来広範囲な地域における大地震の発生が 予測されており、それらに対する、早急にして且、多面的な備えが必須です。
国や地方自治体では、既に、種々の防災策を講じていますが、その一例として、今回は、非常食などの日常の備え、 遠隔地との被災時ネットワークなど、優れた施策を展開している墨田区の対応策の一部を、同区より ご提供戴いた防災に関わる配布書類や地図、航空写具、アルファー米など、更には、同区の被災時の提携地であり、 葛飾北斎や小林一茶で有名な長野県小布施町から戴いた防災地図や航空写真などの資料を展示し、 ご紹介させて戴きました。
 節電、節エネ(「省エネ」を一歩進めた語感で)という点では、被災後の市民や企業の工夫と努力により、 予想を上回る効果が達成されている例が多数報告されています。
その人間力、企業力の強さは頼もしい限りです。
 現在、都市部における発電は、小規模ではあっても、技術の革新と相俟って、太陽光発電、中・小水力発電など 様々な方式が実用化され、自分達が必要とする電力は、自分達で自産する事が可能になりました。また、 そうしようという考えが拡大しつつあり、今後共、展開が期待されるところです。

 被災後の対応策、と一言で言ってはみても、それは多岐広範囲にわたるものになります。
その中で最も基本的な、被災者に共通する関心事は何か、十人十色の答があるでしょうが、その一つは、 中・長期的な安全な生活の場と生活の基盤になるエネルギー(電力)の確保であろうかと思います。
都心部の住人にとって、出来ればある程度纏った地域単位で、安全な場所に移り住み、 復興にかけるという事がいかに難事かという事は、今回の大震災が良く教えてくれました。
墨田区と小布施町のように、各自治体は、色々な形で、遠隔地の自治体と災害時の相互援助協定を結び、 拡大しようとする努力を続けています。
然しながら、今後は、ある意味で、次元の違った観点に立っての対応が必要だと思います。
それは、例えば、前述の目的を達成する為に、右のような都市自治体と遠隔地友好自治体双方の 中・長期的、継続的、且つ、有機的な互助・互恵関係に基いた具体的な体制作りであると考え、 ここにご提起させて戴く次第です。

 環境委員会委員 磯貝 三男(56回)
   (淡交会報第69号より転載)

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