(スマホ)  作成日:2022/02/10 by AM   
  

1. 緒 言
 最初に、3月11日発生の東日本大震災で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 ところで、東京スカイツリーが、来年春には完成します。淡交会会員の居住地区では、 殆んどその勇姿を見ることができます。2011年3月現在、634mに達し、世界一の電波塔となりました。
このツリーの建設は我々に、ある高揚感を与え続けてくれました。
これは、日本が縮小傾向にある中で、世界一を実現するという目標の高さに基づくと思われます。

2. 2011年の状況
 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が、地球温暖化問題について科学的な裏付け作業をしていたが、 2009年11月以降、温暖化の影響について、例えば、ヒマラヤの氷河消滅のような論述ミスが発見され、 IPCCへの信頼性が低下しました。
 東日本大震災に伴う福島第1原発事故は、原子力発電の是非について大きな議論を巻き起こしました。
わが国では、2009年の発電量では、29%が原子力(CO2排出量なし)でまかなわれ、石油8%、LNG29%、 石炭25%、水力8%、新エネルギー1%でした。
資源小国日本では、「原発なし」には電力の安定供給の実現は難しいと思います。  ただ、今回の事故とその後の対応を見るにつけ、安全・安心の観点から、運転中の原発の一層の 安全性の確保は必須であり、新設計画は、大幅に遅れるでしょう。
西日本から東日本への電力融通も60サイクルから50サイクルへの変換を要し、時間とコストがかかる。
当面は、厳しい状況が続くと、予想されます。
 直近は、液化天然ガス(LNG)の需要が増えるでしょう。
LNG発電所は、(石油・石炭に比し、)相対的に二酸化炭素(CO2)の排出量も少ない。
将来的には、発想を切り替え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーへ投資を強化しないといけない。
国民全体でコストを負担する一方、エスカレーターの停止や薄暗いホームを容認して節電に協力するなど、 低炭素社会を築くというコンセンサスを得やすくなったのではないでしょうか。  原発を今後どうするかは、国民的な議論が必要です。
安全性に対する説明責任と透明性を可能にする仕組みを早急に構築する必要があります。
また、低炭素化社会の実現には、電力需給の最適化を図るスマートグリッドは必須です。

3. 私たちの取り組み
 昨年は、環境に関して国際的な会議がありました。
ひとつは、名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議COP10と、二つ目は、 地球温暖化問題(気候変動枠組条約国会議COP16、メキシコ・カンクン)でした。
COP16の合意については、それを地球環境の未来(2013年以降の地球全域への温暖化対策目標の設定) のために活かすかは、すべて、今後も継続される国際交渉次第でしょう。
 私達は、温暖化対策活動のため、特に、夏場の電力逼迫(計画停電強化または総量規制)に対する 協力をしていきたいと思います。
具体的には、

  1. 冷暖房の一層の削減、
  2. 待機電力OFF、
  3. 家族が同じ部屋で団欒、
  4. LED照明への切り替え、
  5. 電力は高価、不要不急は極力不使用。
    ガス・新エネルギーへの一部転換の可能性を検討・実施、
  6. 緑のカーテン設置・雨水の利用など。
 今回の大災害は、関東大震災・東京大空襲に匹敵する国難と言っても過言ではありません。
これらを乗り越えてきた伝統を持つ淡交会の皆様、スカイツリーを見上げる時のように胸を張って、 各自の行動を起こし、地球の将来世代のために、意味ある2011年度としょうではありませんか。

淡交会環境委員 岡田宗久(58回)
   (淡交会報第66号より転載)

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