(スマホ) 対応 作成日:2014/10/27 by A.M.
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日時 : 10月17日(金) 11:00〜12:50
場所 : 両国高等学校 体育館 |
両国高等学校・附属中学校は、一昨年度から3年間 言語能力向上推進校の指定を東京都から受けている。 その一環として、講演会を開催しているが、今年は、小説『月下上海』で、昨年度の松本清張賞を受賞した 山口恵以子さんを講師にお招きし、 高校、中学と分けて講演会が開催された。 |
高校生対象の話の概要は、次の通り。 学生の頃は、漫画家を志望していたが、ある編集者に絵がダメと言われ、その後、脚本のプロットライターをやった。 しかしプロットライターは、 プロダクションの下請け的仕事で、過酷な割に低報酬で、先が見えない不安があった。 その後 社員食堂に職を得て、時間的な余裕と安定した収入を得られるようになった。 この時 ”恒産無き者は、恒心なし” という孟子の言葉を実感した。 40代半ばで脚本家デビューは難しい と判断し、年齢的制限がないと思われた小説家を目指すようになった。 さらに今年になって、 70歳まであと14年ということを考えて、小説により専念するために、愛着のあった食堂をやめた。 漫画家(絵とセリフ)、脚本家(セリフとト書き)、小説家(文章)と目指してきたが、物語を紡ぐということでは一貫しており、 「書くという一本の糸に導かれ」 という道を歩んでいると思う。 人生には、何回か踏ん張りどころに直面する。 その時には見栄や格好にとらわれず、全力でぶつかる努力をしてほしい。 全力が出せれば、無用なプレッシャーを感じることもなく、後悔することも少ないはずである。 講演は、時間の制約もあってか やや早口であったが、テンポよく、歯切れよく、とても聞きやすいものであったと思う。 講演後、文学部員創作の 800字程度のショートストーリーに対して、アドバイスをしてもらう時間が設けられた。 「文章を書くときは、まず何を伝えたいかを明確にするようにし、気負うことなく、素直で読みやすい文章を心がけ、 それをブラッシュアップして文章を作っていくようにするとよい」 などのアドバイスがあった。 先輩の作家から 直に教えを受けることができたことは、生徒の皆さんにとって 一生の思い出となったであろう。 淡 交 会 事 務 局
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