一一五年のあゆみ」 というテーマで 展示を行いました。 学校創立一一五年に当り 初代校長 八田三喜(みき)先生の建学の精神、教育方針、学校経営 などを振り返り、我が校の校風がどのように形成されていったか、また八田先生の薫陶を受 けた教え子たちが 社会に出てどんな活躍をしたかなどを 主たる内容とした展示を企画し、 実施しました。来場者に対するアンケートの結果を見ると、目標はほぼ達成され、概ね好評 を頂いたものと自負しております。 八田先生の教育方針は 「あくまで 生徒の自律自修を重んじ、規律は厳格にするが、 悠々と勉強させる」 ことを主眼としていました。 校長就任と同時に、職員と生徒全体で組織する「学友会」を設置し、生徒の自治を促す先 進的な学校経営を取り入れています。 代表的な例は 「学友会雑誌」の発刊 によって、 生徒に自由な発表の場を提供したことです。 芥川龍之介を始め 多くの生徒が 寄稿し ています。 また、受験本位でなく、全教科のバランスを重視すると共に、当時貴重な辞 書を教室に備え、自習時間を取ってから授業に入るなどの方法も取っています。 一方 「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」の信念のもと体育を重視し、組対抗マラソンの行事 で身体の強化と協力の精神を養うこともしています。 今はどうか知りませんが、私たちの 在学当時にはこの制度があり参加した思い出があります。 今にして思えば、そういう歴史 があった訳です。 このように校風は目に見えない形で今も脈々と受け継がれているものと 思います。 来場者は環境委員会の展示と合せて両日で989人という過去最大の人数になりました。 アンケートによると、今年も中学受験を控えた小学生と保護者同伴の来場者が殆んどを 占め、志望校に対する関心の高さを示しています。そのためか自律自修の校風に対して 大変興味を示し、現在もそれが生きていることに期待感を持っていることがアンケート 結果からも窺がい知れます。 このような事情から、今回の企画は 来場者のニ─ズに合致するものであり、成功であっ たと思います。 残念ながら 今回も卒業生の来場場者が極めて少なく、今後 増やすため の 工夫が必要と感じました。 今年も成功裡に終了することが出来ました。 資料室委員はもとより淡交会事務局 の絶大なるご支援ご協力の賜物と深く感謝致します。 淡交会資料室委員長 戸張誠之助(54回) |